階段の魅力 2025.5.25
- 儘 さざなみ
- 5月25日
- 読了時間: 2分

昨年から東京建築祭が開催され、今年は2回目。普段未公開の建造物を公開するというのでその中の一つ、東京大学本郷キャンパス理学部2号館に行ってきました。本郷キャンパスは関東大震災後内田祥三によって「街」としての統一感を持った設計で建物が作られていきました。いわゆる「内田ゴシック」です。以前、東京日仏学院にある「板倉の塔」をご紹介しましたが、階段はほかの階に移動するためのもの、だけではありません。この階段は建設された1934(昭和9)年当時流行していたアールデコ調なのだそうです。余分な装飾を排除しており、西洋建築の「中央階段を上って、回廊につながるデザイン」を取り入れていることで、階段にストーリーを持たせているのだと、その場を担当してくださっていた建築家の先生の解説がありました。
思えば、子どものころ住んでいた家は、2階に上がるためにはドアを開けて階段を上る必要がありました。そして、その会談は居室とは隔たれていたので、静寂で、ひんやりとしていた空気、凛とした空間が好きでした。新しい家に引っ越した後、「自分の部屋は階段室にしたい」と思うほど。
階段は建物内に限らず、勾配のある坂にも設置されています。これからおいおい「階段」の造形の魅力を紹介していきたいと思います。
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