飛び上がる前にはしゃがむもの 2024.4.1
- 儘 さざなみ
- 2024年4月1日
- 読了時間: 1分
更新日:2024年5月27日

これは板橋の乗蓮寺にある「がまんの鬼」です。もとは藤堂高虎が朝鮮出兵の際持ち帰ったもので、染井にある藤堂家からこちらに移されました。文化庁のサイトにある「晴川/藤堂和泉守殿染井下屋敷」でそれを確かめることができます。
藤堂家が治めていたのは伊賀と津。津の商人は「伊勢商人」として成功した方が多かったそうです。こんな言葉を御存じでしょうか。「近江泥棒と伊勢乞食」近江の商人は商才にたけ、伊勢商人は勤勉・倹約に励んで成功を収めた、ということを江戸っ子が揶揄してこう言ったのだそうです。伊勢商人は勤勉・倹約に励む、ん? それって我慢したってことでは?
400年前から藤堂家で大事にされていたってことは、もしかして「我慢」を家訓としていたのでは?
我慢に耐えた伊勢商人は、後に成功を収めたことを考えると、此の姿は飛び上がる前の準備の姿勢、なのかもしれません。
乗蓮寺には藤堂家伝わる石像が他に7体あって、板橋区の文化財に指定されています。
ともすると見過ごしがちですが、石造1体でも、思いを巡らせるといろんなことが結びついて、奥深い意味にたどり着ける、かもしれません。機会があったら、是非いらしてください。
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