小石川植物園の蘇鉄 2023.11.2
- 儘 さざなみ
- 2023年11月2日
- 読了時間: 2分
更新日:2023年11月4日

「蘇鉄」何と読むでしょう?答えは「ソテツ」。この写真の植物です。
名前の由来は「ソテツに鉄釘刺すと、株が「蘇る」からだとか。
小石川植物園にはいるとすぐ左側に「精子発見のソテツ」があります。説明板を読んでも「ふ~ん、そうなんだ、、、」と思うだけで通り過ぎていました。先日訪れた時、たまたま園内で作業をしている研究者の方がいらして、お話を伺うチャンスに恵まれました。
植物の種ができるのには、雄蕊の花粉がめしべに付着して、花粉管が伸びて受精する。花粉は細かい「粉」のイメージです。ところがこのソテツやイチョウは粉ではなく、胚珠の先端に出てくる水分にたどり着いた精子が、自分で泳いで受精するのだそうです。
明治29年、世界植物学会の中ではまだ後進国だった日本が、全世界に先駆けての発表。これは当時の話題になったそうです。実際の精子が動く姿を見ることができたのは、地道な努力と、タイミングに恵まれる「運」の成果だそうです。赤い実のようなものは胚珠ではあるけれど、「実」ではなく、受精していないものもあるそうです。通常はふさふさに包まれて見えないんですが、動く精子を確認するためは胚珠を採取する必要があり、周りのふさふさを取り除いています。こんな雌株を見るなら今の時期がお勧めです。

ソテツは雌雄異株。細長い松かさのようなものがついているのが雄株です。
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